歯がしみる原因7つとその対処法・治療法【前編】
スタッフブログ
「冷たいものや熱いものを口にすると、歯がピリッと染みる気がする…」
このような悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
突然歯が染みるようになると心配で、気が散って食事に集中できない方もいるでしょう。
原因を明らかにし、適切な方法で対処することが大切です。
今回は「歯が染みる」ということをテーマに、考えられる原因や対処法をお話しします。自力でできる対処法もあるので、参考にしてもらえれば幸いです。
歯が染みるのはどうして?
健康な状態の歯が、冷たいものや熱いものを口にしたときに痛むことはありません。外部からの刺激に対しても同様です。
これは歯の表面が、エナメル質で覆われているためです。
それでも歯が染みるのは、ズバリ「口腔トラブル」が関係しています。内容や程度はさまざまで、自力で対処できるものもあれば歯科医院での治療を必要とする疾患もあります。
どちらにしても早急に対処することが大切なので、原因がわからない場合はかかりつけ医で診てもらいましょう。歯科治療をしなくとも、改善が見込める可能性は十分にあります。
放置して取り返しのつかない事態となる前に、適切な治療を受けてくださいね。
歯が染みる主な原因
歯が染みる原因として、次の7点が挙げられます。
どのような症状があるのか、対処法や治療法とともに1つずつ解説します。
1.むし歯
「むし歯は痛いものだ」と思われがちですが、起こりうる症状は痛みだけではありません。
進行すると痛いことは確かですが、ごく初期段階のむし歯では「染みる」という症状が出る場合が大半です。
例えば歯の表面にまだ穴があいていないC0、エナメル質にだけ穴があいているC1などがこれに該当します。
冷たいものを飲んだり食べたりしたときに、ピリッとした痛みが出る点が特徴です。
対処と治療
C0の場合は、正しい口腔ケアの徹底や殺菌、食生活の見直しなどを行なうことで改善が見込めます。ただC1以降のむし歯に関しては、歯科治療が必要となるでしょう。費用がかかるほか、何度か通院しなければならない可能性もあります。
2.知覚過敏
神経が外部刺激に反応して起こるもので「象牙質知覚過敏」とも呼ばれます。
むし歯でない場合の大半は、知覚過敏が理由で染みているといっても過言ではありません。通常は歯肉で覆われている歯根の周辺が、何らかの理由で剥き出しになると症状が出やすくなります。歯ブラシでゴシゴシ擦る習慣がある人は、知らないうちにエナメル質を剥がしている可能性があるので注意してください。また歯周病の罹患や、加齢による歯肉下垂が関係している場合もあります。
ほかには歯磨き粉に入っている研磨材、歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖がトリガーになりうることも知っておいてください。
対処と治療
まず自宅では、歯周病対策も兼ねて日頃の口腔ケアを徹底してください。歯を磨くときは、やさしく歯の表面をなでるイメージで動かすのがポイントです。磨きにくい歯間や舌のケアには、糸ようじや歯間ブラシ、舌ブラシなどを用いてください。歯垢をできるだけ取り除くことが大切です。
併せて定期的な歯科健診を受けていれば、万が一歯石ができても除去してもらえるでしょう。
清潔な口腔状態をキープできるよう、日頃の口腔ケアに注力してください。
3.くさび状欠損
歯茎から歯が萌出している部分を歯冠といい、その歯茎に近い部分が大きくくぼんだ状態を「くさび状欠損」と呼びます。歯の周囲360度のどこに生じてもおかしくない症状で、原因は明らかになっていません。以前はブラッシングの刺激によるものだと考えられていましたが、近年は歯ぎしりなどの悪習癖が原因だと示唆されているようです。歯ぎしりや食いしばりによって特定の部分へ負荷がかかり、歯が砕けてくぼみが生じるというわけですね。刺激が歯の神経に到達しやすくなり、次第に染みるようになるでしょう。
対処と治療
残念ながら、自力で症状を改善することは不可能です。定期的に鏡で口の中を確認し、欠損が見られる場合は歯科医院を受診してください。
外部からの刺激を、神経へ到達しにくくするような治療が必要です。
具体的には「コンポジットレジン」という歯科用プラスチックを用いて欠損した箇所を埋め、刺激が届きにくい状態にします。
今回は、歯が染みるいくつかの理由をお話ししました。
ご自身に当てはまっている症状はありましたか?
心当たりがある方は、早めにかかりつけ医へ相談しましょう。
次回は、残りの4項目について詳しくお伝えします。