歯がしみる原因7つとその対処法・治療法【後編】
スタッフブログ
前回は歯が染みる7つの原因のうち、3つについて詳しく解説しました。
今回は、残りの4項目についてくわしく説明します。
思いもよらないことが引き金になる場合もあるので、知っておいて損はありません。ぜひご覧ください。
4.歯周病
日本での歯周病の罹患率は、成人で約80%と言われています。歯槽骨が徐々に溶かされ、歯茎がやせていくという恐ろしい病気です。やがて歯根が剥き出しになり、刺激があると染みるようになるでしょう。
対処と治療
自覚症状が出にくく、気付いたときにはかなり進行しているというケースがほとんどです。
長期にわたる治療が必要だということを覚悟した上で、歯科医師の指示を守って生活してください。
日頃の口腔ケアに加えて、3~4ヶ月に一度は歯科健診を受けることが大切です。
超音波の出る医療機器を使ったクリーニングを受けることで、自分自身では取り除けない歯石などを除去してもらえます。
ちなみに一度やせた歯肉は、歯周病が治っても元に戻りません。歯科医院で専用の薬剤を塗ってもらう必要があります。
5.歯根破折
食いしばりや歯ぎしりなどの悪習癖、あるいは転倒時のケガなどによって歯の一部が折れることがあります。折れ方によっては、歯が染みやすくなるでしょう。
対処と治療
一部のみ破折している場合は、レジンや金属で欠損した箇所を補います。しかし真っ二つに折れたり、亀裂の入り方に問題があったりする場合は例外です。抜歯や抜髄を伴う可能性もあることを知っておきましょう。
6.中心結節の破折
前から4~5番目の歯(小臼歯)に起こりやすい症状です。
そもそも中心結節とは、歯の神経から続いた突起のことをいいます。少しずつすり減って消失するケースが大半ですが、小中学生のころには破折するリスクを秘めています。折れた場合の症状はさまざまで、軽度の場合は歯が染みるのが特徴です。
対処と治療
破折箇所に関わらず、原則として抜髄が必要になります。放っておいても元に戻ることはないので、早めに診てもらうことが大切です。
7.ホワイトニングの副作用
ホワイトニングを受ける際、事前に歯科医師から「起こりうる副作用」として話を聞いているケースが大半だと思います。
対処と治療
ホワイトニングには歯科医院で施術を受ける「オフィスホワイトニング」と、マウスピースなどを家に持ち帰って患者さまご自身で行なう「ホームホワイトニング」とがあります。どちらも染みる可能性はゼロではありませんので、何かあれば一旦中断して様子を見ることが大切です。
染みるのは一時的であることが多いので、症状がなくなれば施術を再度受けられます。自己判断で再開するのは危険なので、歯科医師の指示を仰いでくださいね。
しばらく経っても染みる場合は、歯科医院で薬剤を塗ってもらいましょう。
歯が染みるときに自宅でまずすべきこと
歯が染みるようになった際に、ご自身でまず試してほしいことを2点紹介します。
どちらも今日から始められることなので、ぜひ実践してください。
1. 口腔ケアの仕方を見直す
ブラッシングの方法を誤ると、エナメル質を削る恐れがあります。歯ブラシは毛先が「柔らかめ」あるいは「普通」のものを選び、表面をなでるイメージで磨くようにしてください。力を入れてゴシゴシと磨くのは厳禁です。
2. 歯になるべく刺激を与えない暮らしをする
特定の物事に集中したり緊張したりすると、知らず知らずのうちに歯を食いしばることがあります。仕事中や読書中などに、歯を強く噛んでいることがないか確かめてみてください。舌の先端が上の前歯の裏に触れるようにし、上下の歯をわずかに離すことで頬の緊張が緩和されるでしょう。
なかなか治らない場合はかかりつけ医に相談しましょう!
歯が染みる理由や程度には、かなりの個人差があります。
まずはむし歯を疑い、鏡を見ながら口腔状態をチェックしてみてください。特に異常がなければ、知覚過敏である場合が多いです。
ただ、ほかの原因が潜んでいる可能性もゼロとは言い切れません。心配な場合や、ほかに気になる症状がある場合は早めに歯科医院を受診してください。
診察の際「どの歯がいつから染みるのか」を的確に伝えることが、原因を突き止めて完治につなげるカギとなるでしょう。