子どもの歯列矯正の必要性とは?
歯列矯正は成人になってからでもできる治療のひとつで、実際大人になってから行う方が多くいらっしゃいます。
しかし成長期である子どものうちに行うことで、より高い効果が期待できます。その理由について、詳しくご説明します。
最適なタイミングでの治療のためには早期の健診が重要!
治療の開始時期は、お子さまの口腔内の状態により異なります。
しかし大切なことは、早い段階で歯科健診を受けるということ。幼少期のうちに受診することで、口腔内の状態に加えて成長の様子や経過を都度確認します。患者さまにとって、より最適な治療方法がご提案できるのです。
子どものうちであれば、顎の成長や発達を活かした治療が可能
成長期のお子さまは、顎を含めお口周りの成長が途中の段階です。そのため顎周りの発達を活かして治療することで、より高い効果が見込めます。
床矯正などの大人になるとできない治療方法が、お子さまであれば可能になるのです。また、非抜歯による治療ができる可能性も高まります。
早期に治療するメリット
成長の途中である子どものうちに治療をすると、次のメリットがあります。
顎の成長を利用した治療が可能
成人の歯列矯正では一般的に、患者さまそれぞれの顎の大きさに合わせた治療を行います。一方で子どもは顎周りが成長途中であるため、顎の発達を促したり抑えたりしながらの治療が可能です。理想の形をした顎の成長を導くとともに、正しい歯並びが手に入るのです。
そのため成人の治療とは異なり、非抜歯にて治療できる症例が大半です。また二期治療を行う場合、比較的短期間で治療できるメリットを持ちます。
骨がやわらかいため歯が移動しやすい
子どもの骨は成人よりもやわらかく、7歳ごろまではより柔軟性があります。歯が埋まっている骨も同様にやわらかいため、歯が動きやすいうえ痛みを感じにくいメリットを持ちます。
順応性が高いため治療を進めやすい
子どもの身体は成人に比べて順応性が高く、治療に慣れるのが早い傾向にあります。そのため歯や歯茎、舌やお口周りの筋肉が、治療後の噛み合わせに順応することに優れています。
お子さまの歯並びに悩みを持つ親御さまから、治療を始めるタイミングについてよく尋ねられます。早ければ早い方がよいと考えている方がいらっしゃいますが、重要なのは「お子さまにとって最適な時期に治療を開始すること」です。
歯が生える時期や顎の成長のスピードには、大きな個人差があります。もちろん直ちに治療を始めた方がよいケースもありますが、経過観察をしながら判断した方がよい場合もあるのです。
お子さまの歯並びについてお困りのことがありましたら、ぜひ一度健診を受けることをおすすめします。定期的に成長を確認しながら、最適な時期に治療を開始しましょう。
子どものうちに治療を終えることがもたらすよい影響とは?
思春期を迎える前に歯並びを整えることには、次のメリットがあります。
全身の健康につながる
歯並びを整えることは、お口周りだけでなく全身の健康につながります。むし歯や歯周病の防止に加え、発音の向上や、噛み合わせの向上による食事での栄養吸収率アップが期待できます。
自信につながる
歯並びや噛み合わせについて友達からからかわれると、それが大きなコンプレックスになります。自信を失い、性格や行動に影響を与えるのです。
子どものうちに歯列矯正をすませることで、それを解消できます。高校生や大学生になってから装置を使った治療をする必要がないため、他人の目を気にせず生活できます。
歯並びが整うと、身体面だけでなく精神面にもよい影響を与えるのです。
子どもにしかできない治療が行える
歯列矯正は大人になってもできますが、子どものうちにしかできない治療方法が存在します。大人になると骨格は変えられないため、歯並びは整っても骨格の問題で理想通りの仕上がりにならない場合があるのです。また成人の歯列矯正では、受け口や出っ歯改善のために外科手術を伴ったり、八重歯を抜歯する必要があったりと症例によってはさまざまなプロセスが必要です。
そのため可能な限り、子どものうちに歯並びを整えておくのがよいでしょう。