根管治療(歯内療法)

根管治療とは

根管治療とは、歯髄が感染や炎症を起こした際に行う歯の根の治療のことです。

むし歯が進行して強い痛みがある場合や、以前に治療をした部分が再度痛む場合に用います。歯の神経は、放っておいても残念ながら自然と治るわけではありません。それどころか次第に症状が悪化し、最終的に抜歯を余儀なくされてしまいます。

そうならないためにも、異変を感じたときは早めに歯科医院を受診してください。

精密根管治療の利点とは?

少ない通院回数で済む

一般的に、保険適用で治療を行うと5~6回程度の通院が必要です。一度の通院に30分ほどかかる上に、症状が重い場合はさらに通院を重ねなければなりません。

「一度にすべて済ませてほしい」と思う方がいるかもしれませんが、根管治療には歯の神経の除去や消毒、人工歯の取り付けなど数多くのプロセスがあります。患者さまに負担をかけることなくすべての治療を行うには、どうしても複数回の通院が必要となるのです。

ただし自費診療で治療をした場合は、1回あたりの治療時間を長めにとって治療を進めることが可能です。部位にもよりますが、通院回数の目安は最短で3回程度となります。早めに治療を済ませたい方は、ぜひご検討ください。

再発しづらい

根管治療にでは、神経を取り除く際に根管が細菌感染を起こすことがあります。すると感染した部分に膿が溜まり、顎骨を溶かす恐れがあり危険です。その場合、再治療を強いられてしまいます。

またこのような症状がなかなか発現しない場合もあり、知らず知らずのうちに悪化していることも少なくありません。再治療は予後不良が多いとされているため、避けるべきトラブルの一つです。1回目の抜髄で、確実な治療を受ける必要があります。

治療の進め方について

まず根管の内部に汚れや細菌を残さないよう、「ファイル」という細い器具を用いて丁寧に掃除します。内部は暗くて狭い上に、複雑な構造をしているので歯科医師の高い技術が必要です。肉眼では内部が確認できないため、指先の感覚で治療しなければなりません。慣れない歯科医師が行うと、感染の原因である小さなヒビや汚れに気付かず蓋をしてしまう恐れがあるため注意が必要です。その場合、再治療は免れないでしょう。

なお自費診療で治療をする場合は、「マイクロスコープ」と呼ばれる拡大顕微鏡を使用します。肉眼の約20倍に拡大できるという高性能の医療器具で、治療の成功に大きな役割を果たしてくれます。

精密根管治療の特徴とは?

根管治療はとても重要な処置の一つで、建築に例えるならば「基礎工事」といえます。

根管を傷めたり細菌感染により再発したりする可能性が高い治療であるからこそ、当院では高い技術と豊富な経験を持つ歯科医師が、高度な設備を用いた治療を行います。治療の成功のためには、手間や時間を決して惜しむことなく最善を尽くします。


CTを用いた診査および診断

CTは「computer tomography(コンピュータ断層撮影)」の略で、X線とコンピュータを使用して身体の断面画像を立体的に写し出せる高度な医療機器です。

三次元の画像で把握できることにより、血管や神経の位置、骨量や骨密度といった幅広い情報が得られます。

CTの使用は、複雑な構造をした根管を正確に捉えることに大きな役割を果たします。従来のレントゲン画像では細部まで確認できずに見落としていた病変なども、CTがあれば発見できる可能性が高まるのです。

マイクロスコープを用いた精度の高い治療

かずま歯科医院では、根管治療の際にマイクロスコープを使用しています。

それにより複雑な構造である根管の内部を、通常の8~25倍の拡大率で診ることが可能です。肉眼では見落とすレベルの細菌や汚れを視認したり、健康な組織を取り除いたりするリスクを低減できます。

従来は歯科医師の手探りのみで行っていた細部の治療が、マイクロスコープを用いることで容易となったのです。

比較的短い期間で治療できる

精密根管治療は保険適用の治療とは異なり、根管内部の把握を確実かつスピーディーに進めることが可能です。そのため抜髄は最短1回、再根管治療は約3回程度で完了します。

完全無菌の環境で治療を実施

口腔内には、私たちが想像しているよりもはるかに多い数の菌が存在しています。そのため、治療中に血液や唾液内の細菌が根管へ侵入し、細菌感染を起こす恐れがあるのです。

そこで当院では、ラバーダム防湿法を採用しています。ゴム状の人工膜で治療部位を多い、細菌が入り込むことを防ぎます。完全無菌の衛生環境を作り出すことで、治療の成功率は約9割まで高まるのです。

専用の医療機器などを使用

当院ではマイクロスコープや人工膜のほかにも、専用の医療機器などを複数取り入れています。

たとえば「超音波チップ」や「NiTiロータリーファイル」を用いることで、さらに制度が高い治療を可能としています。中でもニッケルチタンファイルは柔軟性が非常に高く、複雑な構造をした根管の内部でも湾曲しながら使用可能です。

このように使用する医療機器に強いこだわりを持ち、細菌に汚染された組織を、より確実に除去・洗浄しています。

治療のプロセス

step01症状がある箇所の歯を削る

症状がある箇所の歯を、必要な分だけ削ります。

step02抜髄

ニッケルチタンファイルを根管へ挿入し、汚染部分の歯髄を除去します。マイクロスコープを用いて、丁寧かつスピーディーな治療を心がけています。

step03消毒

歯髄が確実に除去されたことを確認したのち、専用の消毒薬を注入します。その後、患部に蓋をし、土台を作ったり型取りを行ったりします。消毒を怠ると再感染につながる恐れがあるため、歯科医師の高い技術力が問われます。

step04被せ物を装着

「セラミッククラウン」と呼ばれる被せ物を装着します。 色味や形は患者さまに合わせて作製しますが、不便な点や不安があれば仮装着にすることも可能です。