年齢別の治療時期
3~4歳
5~6歳
7~8歳
9~11歳
12歳以上
成人の歯列矯正と同じ治療方法で進めてまいります。緊急性がない場合でも、できる限り早期の治療をおすすめします。
小児矯正の開始時期
永久歯が生え始める5~7歳ごろが一般的です
歯列矯正を早期に開始することで、お子さまの骨格の成長を利用しながら治療できるというメリットがあります。そのため永久歯に生え変わる5~7歳ごろを目安に、お子さまの症状や成長を見ながら治療の開始を判断します。
早期の治療は顎の成長を促したり抑えたりと、骨格の発達に関わる治療が可能です。近年は顎の小さいお子さまが多く受け口や出っ歯になりやすい傾向にありますが、根本的な原因から改善させることができます。
小児矯正では主に床矯正を行い、顎自体を大きくすることで永久歯が生えるスペースを確保します。そのため永久歯が生え変わったあとに再度歯列矯正を行う場合でも、非抜歯にて治療できる可能性が高くなるのです。
不正歯列を放っておくデメリット
不正歯列や不正咬合を放置したままで顎の骨格が完成すると、将来的に適用できる治療の幅を狭める可能性があります。骨格の成長が終わると顎を拡張する床矯正が適用できないため、抜歯が必要となる場合があるのです。 しかし歯列矯正は、早ければ早いほどよいというわけではありません。お子さまの症状や成長のスピードによって最適な時期が異なるので、見極めたうえで治療を開始します。
早期治療がすすめられるケース
1.受け口の場合
受け口には骨格由来のものや、前歯の位置が異常なものなど複数の原因が考えられます。3~5歳を目安に、少しでも早めに治療を行いましょう。ただし3歳未満の場合は治療自体にお子さまの協力を得られないことがあるため、患者さまの様子を見ながら開始時期を決定します。
3~5歳のお子さまには、「ムーシールド」という装置を使って治療を行います。就寝時に装着するのみなので、治療の負担が比較的少ないのが特徴です。
反対咬合の場合は、放っておいても自然に改善されることはまずありません。そればかりか下顎の骨が発達しすぎると、手術が必要になる症例もあります。
当院では日帰りの外科手術に対応しておりますが、幼い子どもにとっては心身ともに大きな負担となります。そのため手術が必要となる前に、早めの治療を行いましょう。
受け口の原因が前歯の位置異常の場合は、6~8歳の永久歯が生え変わるタイミングで行うのが最適です。リンガルアーチという装置を用いて治療を行います。
いずれにせよ早期の治療は、上下の顎の発達をコントロールし、正常な発育を促すことが可能です。お子さまの歯並びについてお困りの方は、早めにご相談ください。
2.永久歯が重なって生えた場合
顎が小さいと、歯が生えきらず永久歯が重なって生えることがあります。5~9歳を目安に、お口を大きくする治療を行います。
すぐに治療を始めないケースもあります
10~11歳ごろのお子さまで、単純に歯が重なっているだけの場合
不正歯列の原因が顎の小ささにある場合は、顎を拡げることで症状の改善が見込めます。しかし顎の成長が終わる10歳ごろを過ぎると、それが難しくなってしまいます。そのためお口が小さいこと以外に異常がない場合は、すぐに治療を開始せず永久歯が生え揃う12歳ごろまで経過観察を行います。
いずれにせよ治療開始のタイミングは、患者さまのお口の中を拝見したうえで正しく判断させていただきます。親御さまによる自己判断は難しいため、矯正歯科をご受診ください。
早めに矯正歯科を受診することが大切です
不正歯列の種類や程度は、患者さまによって大きく異なります。そのため軽度な歯の重なりであれば、焦って治療を早めなくとも永久歯が生え揃ったあとに治療を始められることがあります。
ただし知っておいてほしいのは、歯科医師によって得意な分野が異なるという点です。小児矯正についての知識が浅い歯科医師の場合、早めに治療を開始すべき症例でも経過観察になることがあるのです。治療が手遅れにならないように、歯並びのことでお困りの場合は矯正歯科を受診しましょう。
また幼少期に歯列矯正をしたものの、成人後に後戻りするケースがあります。しかし再治療の場合は比較的短期間かつ費用を抑えた治療ができますので、お気軽にご相談ください。とくに部分矯正の場合は、歯が並ぶスペースの有無や不正咬合の程度によって大きく異なります。
後戻りを防ぐためには、定期健診を受けることや保定装置の正しい装着が必要不可欠です。確実に行いましょう。